物販を続けていると、いちばん後回しになるのが記録です。仕入れ値、売れた日、送料、手数料。これらが揃っていないと、利益が出ているのかどうかも分かりません。私は、記録の「入力」だけをAIに手伝ってもらい、「集計の確認」は自分でやる、という分け方をしています。
AIに任せるのは「整える」部分
売れたときの通知やメモを、そのままAIに貼り付けて、「日付、商品名、販売価格、手数料、送料の列に分けて」と頼みます。表の形に整えるだけなら、AIは得意です。整えた表は、スプレッドシートに貼り付けます。
頼み方のコツは、列の名前と順番を先に指定することです。たとえば「次の列でタブ区切りの表にして。列は、日付、商品名、仕入れ値、販売価格、手数料、送料。分からない項目は空欄のままにして」と書きます。最後の一文が大事で、これを書かないと、AIが空欄を推測で埋めることがあります。
自分で確認するのは「数字」の部分
AIが整えた表は、必ず元のメモと数字を照らし合わせます。桁が違う、日付がずれる、似た商品の行が入れ替わる、といったミスが混じることがあるからです。
確認の手順は、次のとおりです。
- 貼り付けた行数が、元の売れた件数と同じか数える
- 販売価格の列だけ、元のメモと上から順に見比べる
- 空欄のはずの欄に、見覚えのない数字が入っていないか見る
合計や利益の計算は、AIではなくスプレッドシートの関数に任せます。計算は関数のほうが確実で、あとから見直せます。利益の列には、販売価格から仕入れ値、手数料、送料を引く式を入れておきます。AIに計算結果だけを出させると、どう計算したのかが残らず、間違いに気づけません。
よくある落とし穴
- 手数料の率や、送料の区分を、AIに「だいたいこのくらい」と推測させてしまう。これらは、販売サイトの公式の案内で、自分の取引に当てはまる条件を確認します
- 貼り付けたときに、日付が文字列になって並べ替えができなくなる。貼り付けたあと、日付の列の形式を確認します
- 返品や値引きの記録が漏れて、売上が実際より多く見える
在庫の記録にも使える
売れた記録と同じ要領で、仕入れたときのメモも表に整えてもらいます。仕入れた日、商品名、仕入れ値、保管場所の列を作っておくと、売れたときに在庫の行と突き合わせられます。月に一度、スプレッドシート上で「仕入れ済みなのに売れた記録がない行」を絞り込み、実物が手元にあるかを棚で確かめます。画面の上の在庫と、実物の数が合っているかを見るのは、AIではなく自分の仕事です。
最初の一週間でやること
いきなり過去分をすべて入れ直そうとすると、挫折します。まず直近で売れた数件だけを、上の手順で表にしてみてください。元のメモと見比べて、どこでミスが出たかを書き留めます。ミスの傾向が分かれば、次回の頼み方を直せます。
続けるための小さな工夫
- 入力は、毎日ではなく週に1回、まとめて行う
- AIに渡すメモの書き方を固定して、列の並びが毎回同じになるようにする
- 月末に、仕入れ値の記録が抜けていないかを自分の目で確認する
記録は、完璧さより続くことのほうが大切です。AIは、続けるための手間を減らしてくれる道具として使うのが現実的です。なお、帳簿の付け方や税金に関わる部分は、AIの回答だけで決めず、公的な案内や専門家に確認してください。

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